ピースおおさかを府民・市民の手に取り戻そう!出発集会

日時●7月11日(土) 14:00~16:40(13:30開場)

会場●港区民センター大ホール(地下鉄・JR弁天町下車、西へ徒歩8分、会場地図


*講演:吉田裕さん「戦後70年と日本人の歴史認識」

*批判的にピースおおさかのリニューアル展示を見学するための『見学の手引き』を作成したグループからの報告


参加費●1000円(学生・生徒500円)※『見学の手引き』付き


【吉田裕さんのプロフィール】

一橋大学大学院社会学研究科教授。主な著書に『アジア・太平洋戦争』、『日本の軍隊』、『昭和天皇の終戦史』、『日本人の戦争観』(以上岩波書店)、『天皇の軍隊と南京事件』(青木書店)ほか。


主催●ピースおおさかのリニューアルに府民・市民の声を!実行委員会

連絡先●072-279-9431(横山篤夫)

 

ピースおおさかのリニューアル展示を批判する(案)

―――戦後70年を新たな戦前にしないために―――


*ピースおおさかのリニューアルに府民・市民の声を!実行委員会*


1991年に多くの府民・市民の平和への願いの声を受け止めた大阪府・大阪市が、大阪から世界に・次世代に平和を発信するセンターとしてピースおおさかを設置しました。以来24年間、被害と同時に加害も正面から取り上げた公設の平和博物館として評価され、来館した180万人もの子ども達・市民・外国人に平和のメッセージを発信してきました。


今回ピースおおさかは「大阪中心・子ども目線・平和を自分の課題として考えられる展示に」するとして、2015年4月30日にリニューアルオープンしました。リニューアルに当たり2011年大阪維新の会の議員から侵略戦争を賛美する「西の遊就館にする」という主張がありました。これに対して私たちはピースおおさかの設置理念を生かし被害と加害を総合して戦争の実態を展示するよう主張し、様々な市民団体・研究団体などが集まり実行委員会を作り関係各方面に批判と提言を続けてきました。その結果、当初の構想や記述の一部は改められ、「西の遊就館」路線は一定程度阻止することが出来ました。


しかしリニューアルで「B展示室・15年戦争」が削られ空襲の被害だけを強調する展示になってしまいました。特に「大阪空襲を中心に」と言いながら「なぜ大阪があんな悲惨な空襲を受けることになったのか」という根本問題が、展示の中で全く示されていません。空襲を中心に展示するなら、日本軍が始めた重慶に対する無差別爆撃で国民の戦意を失わせるという戦略爆撃が何十倍にも拡大してブーメランのように還ってきたのが大阪大空襲であり、それを更に拡大したのが広島・長崎への原爆投下である事が示されていません。


また「子ども目線」といいながらキャプションの文字は小さく読みにくく、内容は「何故?」と深めて考える事が出来にくい表面的な事項の羅列になっています。教育が戦争に子どもを駆り立てた事や、大阪で空襲の被害にあったのは日本人だけでなく当時植民地にされていた多数の朝鮮人や、強制連行された中国人の空襲犠牲者がいる事が全く展示されていません。また戦後の大阪の再建には、戦争犠牲者が取り残され生きるために必死の運動をしてきた事、今も国家賠償を求めて運動している事にも触れていません。こうした具体的な課題を避けて「平和を自分の課題として考える」ことは困難です。


私たちはピースおおさかのリニューアル展示を批判的に見ながら平和を主体的に考えられる様に『見学の手引き(仮))』を作成して、見学する学校や団体・個人に広げていこうとしています。同時により大きな視野からピースおおさかのあり方を考える場を持ち、府民・市民の手に取り戻す運動を続ける事が必要だと考えます。 そのためには、設置理念に沿った十分な研究成果を反映する体制に欠けていた事を改善する平和研究所の設置、広く市民の声を聞き運営に反映する運営協力懇談会の再開は不可欠だと考えます。


大きな視野からピースおおさかのあり方を考えるスタートの機会として裏面の集会を開催します。多くの皆さんのご参加を心から呼びかけます。