どうなってんねん?ピースおおさか ― そのリニューアル、待った!!

日時●2014年11月24日(月・振替休日)午後1時30分~4時30分(開場は午後1時から)

 

会場●エルおおさか709号室

(地下鉄谷町線、京阪電鉄「天満橋駅」下車、西へ300M、電話06-6942-0001)

資料代●500円

 

基調提案●上杉聰さん(事務局)

 

講演●安川寿之輔さん(名古屋大学名誉教授)

「戦争の犠牲者たちを怒らせてはならない

 - 福沢諭吉の「強兵富国」のアジア侵略路線とのつながりで」

1935年生まれ。社会思想史研究者。日本戦没学生記念会元事務局長、不戦兵士・市民の会副代表理事。著書に『日本近代教育の思想構造 福沢諭吉の教育思想研究』、『十五年戦争と教育』など多数。

 

各界からの発表(予定)●大阪空襲体験者、重慶空襲訴訟関係者、大阪各地の追悼集会関係者、教員、平和のNPO、歴史研究者など

 

主催●ピースおおさかのリニューアルに府民・市民の声を!実行委員会

「ピースおおさか」は大阪城の敷地の一角にあり、長年、大阪府民・市民が自慢できる施設でした。開館する時に決めた「設置理念」は高らかに大阪から平和を発信する目的をうたいました。

 

第二次世界大戦において、大阪では50回をこえる空襲により、市街地の主要部が廃墟と化しました。こうした被害は大阪にとどまりません。世界最初の核の被爆都市、広島・長崎、「本土決戦」の犠牲となった沖縄をはじめとして、数多くの日本国民が尊い生命を失い、傷つき、病に倒れました。同時に、1945(昭和20)年8月15日に至る15年戦争において、戦場となった中国をはじめアジア・太平洋地域の人々、また植民地下の朝鮮・台湾の人々にも多大な危害を与えたことを、私たちはわすれません。

 

今世界の緊張が強まり、アジアの危機が言われるなか、この理念はますます輝きを増しています。

 

今年9月から「ピースおおさか」はリニューアルのため閉館し、来年春に再開する予定です。8月27日に公表されたピースおおさかの「リニューアルの具体的な展示等の概要」を見ると、「大阪空襲を中心に、子ども目線」をうたいますが、このままでは2億数千万円の府民・市民の税金が無駄になる危険性があります!

 

「なぜ大阪が廃墟になり、15,000人もの市民が焼け死ぬ空襲を受けたのか、空襲の歴史を分かりやすく、航空機の模型なども使い伝えてください」というと、「予算がありません」との答えです。

 

いっぽう、空襲から命を守る役に立たず、その中で多数の人々が亡くなった防空壕の模型に400万円もかけ「体験」を伝えると言います。役に立たなかった防空壕の存在を示し、子どもたちに「こんなものがあれば安心だった!」と誤解させたいのでしょうか?焼夷弾や1トン爆弾は当時、壕の中へ貫通し、多数の人々がその中で亡くなりました。そうした悲惨な空襲の実態を「ピースおおさか」は隠そうというのでしょうか?

 

また23年前に「ピースおおさか」が開館してからのことです、東住吉区田辺に落とされた爆弾が、なんと「模擬原爆」だったことがわかりました。約5トンもあるこの模型展示を作れば、見る人はどんなに空襲が凄まじかったかを知り、大阪空襲が広島・長崎につながることも示せるでしょう。この模型も、「もう計画が進んでいるので入れられない」というのです。館の入口近くで上映する映像のナレーションには、設置理念と異なる「自存自衛のためにやむなくあの戦争をした」という内容も盛り込まれています。これは歴代の政府が「国策を誤り、戦争への道を歩ん」だ(村山談話)としてきた立場とも反するものです。

 

このままでリニューアルが進むと、まったく魅力のないピースおおさかになってしまいます。私たちはピースおおさかが「設置理念」を生かし、これまで明らかにされた事実にもとづいたリニューアルにすることを強く願い、その内容を明らかにする集会を開きます。

 

戦後69年を経て、戦争の犠牲になった私たち日本人の深刻な被害とともに、日本軍の加害によるアジア各地の人々の被害も詳しく知ることができるようになりました。戦争はそうした両面を生みます。これを教訓とし、二度と繰り返さぬため、今度のリニューアルでは最低限、何を欠いてはならないかを討議し、進行中の展示に反映させるよう要求する集会にしたいと思います。

 

関心を持つ多くの方々と共に考え、その声を発信する機会にお集まり下さい。